Sophia-DLG 製作1

各所で製作記事が公開されていますし、作るところも少ない機体なので”いまさら”かもしれませんが
ぼくなりに手を入れたところもありますのでそのあたりを中心に紹介します。m(_ _)m


・製作の前に。

機体は結構前から入手していたのですが、なかなか手が付けられなかったのです。
という最大の理由は尾翼をどうするか決められなかったからです。
ぼくの機体は垂直7.8g、水平9.7gもありこのままではテールヘビー確定なのですよ。(´Д`)

すでに作成された諸先輩のWebを見るとだいたいバラスト10〜15gで全備280〜300gくらい。
ぼくのバヤイは電池もNiHM195mAなのでその分もバラストが必要になりそうです。

もし尾翼を自作するとだいたい12gくらいで出来るので、そーするとテールで約5gほど軽量化出来ます。
テールで約5g軽く出来ればノーズで13〜15gくらいかな。都合20gも違うなら作るしかないね、、って
普通ならなるのですが、尾翼自作!となるならまだ試していないDrela博士の2005バージョンを作りたいし、
それをするならマイラー等々を全部作らないと…、、ってなってしまって手が止まっていたのです。

で、ある日”これじゃイカン!”って思い、とにかく”つるし”でいいから作ろうってことにしました。(笑)






まずは受信機(Barg4ch)の改造。
チャンネルを増やすのが面倒なので基盤から直接電源を取り出します。
バッテリー(NiHM195mA)をパック。
#バッテリーは小さい必要はないのですが狭いポッドではこのサイズのほうがメリットが多かったりします。
195mAでもD47なら1.5〜2時間くらい飛ばせます。




ラダー、Vマウントを仮組みしてモーメントを考え尾翼位置を決めます。
ぼくの場合はVマウントをカットしなくても大丈夫そうです。
で、パイプをカット。エンド側はラダーの嵌め合わせが許す限り、カットしています。
パイプ手前側もポッドが許す限りカットしています。これでパイプ長は710mm。
パイプ、ポッドの接合部分をサンディング、ラダー、Vマウントの内側も忘れずにサンディングします。






1.5mmベニアとバルサでメカプレートを作成。
ポッド内でのメカプレートの位置を十分に考えて作成します。
ぼくの場合はテールヘビー対策として、とにかくコイツを前方に出したいので
バッテリ、受信機が取りだせるギリギリの位置にします。




主ビス穴空け、ボッドのバリを除去、仮組みしてアライメントをチェック。
ビスをレニービスに変更。




ペグを作成し、主翼に穴を開け接着。
ペグはカーボンキュアシート+1mmベニア+UD+バルサで作っています。 重量は0.6〜0.7gほど。




エルロンホーン位置穴あけ。




トリエルロン部をカット。




ホーンを瞬間で接着。
エルロン翼根のテールパイプが当たる箇所をカット。




ギャップシールを張ります。




トリエルロンとエルロンを収縮性のあるテープで接合。
フラッター防止にコレはおすすめです。




メカの位置、エルロンホーンの位置を考え、ポッドにロッド出口を空けます。




エルロンリンケージ(0.8mm)を仮組みして問題なければ、
バッテリ、受信機が取りだせるギリギリ前方の位置にメカプレートを接着。
このためにバッテリは小さいのです。




画像はありませんが、Vマウントと水平尾翼ヒンジロッドをスムーズでかつガタの無いようしっかり調整します。
(ガタがある場合はマイクログラス+瞬間等で穴を一旦埋めて開け直します)
次にテールパイプとポッドをエポキシで接合します。
硬化後、アライメントを十分チェックし尾翼を瞬間で接着します。
削れ防止で、ラダー下にカーボンロービングを発泡用瞬間にて接着します。
#尾翼に余計な補強をするのは重くなりますのでヤメましょう。
(ハードランディングなどのトラブルが無ければ別に壊れませんし、ぼくは尾翼は消耗品と考えています。)

#今回はパイプとポッドの接合とペグの取り付け以外にエポキシは使用していません、後は全て瞬間です。
脱脂をしっかりして、部材と部材が密着していれば瞬間でも問題ないと考えます。




フライングテールってどうよ?(´Д`)

主翼取り付け角を自由に設定できる、抵抗が少ない等のメリットもあるけど、
構造上、強度不足になりやすい。
フラッターが出やすい。
ガタは許されない。
ニュートラルが出ない。
なんてシビアな面もあるようです。なので初心者には少々扱いづらいかもしれません。
また、ハードランチャーの方はランチで破壊なんてことも結構あるようです。
なので従来の方式のほうが信頼性は高いでしょう。

しかし、ポイントを押さえしっかり製作&セッティングすれば問題ないはずですので
今回はこのままフライングテールで製作することとします。




水平は上?下?

KITには水平尾翼をを上に付けるか下に付けるかの指定はありません。
翼型は下用になっていると思いますが、薄翼ですのでどちらでもさほど影響はないでしょう。
GPスタント機などでは、主翼と同じ高さに水平尾翼があると主翼の乱流?の影響を受けてしまうことがあるので
同じ位置にはしないほうがよい、とされています。しかしDLG機はテールがとても長いのでこちらも問題ないでしょう。

ぼくとしては見た目は上のほうが好みなのですが、上にするとリンケージの関係上プル側がダウンになり、
付属のトーションバーが使えません。これだとランチ等で大きな負荷がかかったときに
ダウン側にクセが出る可能性があるかもしれません。タダでさえシビアなフライングテールですので
今回は安全なほうを選択し、水平は下位置にすることにしました。これならプッシュ側がダウンになり、
負荷がかかったときでもダウン側にクセが出ることはないでしょう。

付属のトーションバーを使うかどうかは飛ばしてみてから考えることにします。





いつものようにボンダブルテフロンチューブ+ダダリオ0.17 でリンケージ。




バルサでスロープを作ります。




ボッド内もパイプが振れないようにしっかり接着します。




ポッド,パイプ接合部、エルロンロッド出口、ボンダブルテフロンチューブ出口 をマイクログラスで補強。




収縮チューブでハッチ止めを作成。




これで完成だぁ!っと思ったのですが…。
どーにもエレベータが頼りないです、指で舵面を動かしてもカチッとしていません。
コレではきちんと飛ばないでしょう。

対策1 トーションバーを使う。
 トーションバーを使えば常にUP側にテンションがかかりますので、
少なくともダウン側におかしなクセが出ることは無いでしょうから
取り合えずコレでもいいかと思いましたが、いかんせん、今度はニュートラルが出ません。
テンションをいろいろ調整してみましたがイマイチなのでとりあえずボツに。(´Д`)

対策2 サーボホーンを一段小さくする。
舵角には余裕があるのでエレベータのサーボホーンを一段小さくする方法がありますが、
リンケージ自体の剛性が上がるワケではないし、すでにポッド内のチューブを接着してしまったので、
リンケージが真っ直ぐにならないためボツ。

対策3 エレベータホーンを一段大きくする。
リンケージの剛性を上げたのと同じ効果があります。
Vマウントの高さ以上には大きく出来ませんがこれはとても有効でしょう。

と、ここで尾翼をよーく観察するとエレベータホーンとそこに繋がるロッドの
取りまわしに問題があることがここでわかりました。
元々のエレベータホーン穴位置は水平尾翼を基準にヒンジラインから垂直に立ち上げた位置にあります。
しかし、リンケージロッドをバルサスロープで立ち上げているため、ホーンとロッドは垂直になっていませんでした。
Vマウントで見えづらいので気が付きませんでした。(^^;;

なので対策3とホーン角度を改善するため、エレベータホーンを変更したところ、症状は改善されました。ヽ(´ー`)ノ




ベニアホーンが問題のあったホーン。透明なものが改善したホーン。






舵角調整と重心位置調整でようやく完成っす。
やはりテールヘビーです、とりあえずノーズ内に22gバラストを積みました。(´Д`)仕方ないね。
結局そんなこんなで全備276gとなりました。バラスト無しなら254gなんだけどなぁ。(^^;;




― インプレ ―

早速、2日間がっちり飛ばしこみましたので簡単なインプレを。ヽ(´ー`)ノ

ランチ
投げやすいし高度もまずまず。良いね。
でもやっぱもうちょっと軽いといいなぁ。(自分の軽量機と比べるほうが悪いとも言う)
板ラダーなので仕方ないとは思うが、リリース時のテールドリフトが大きい。もっとテールパイプの剛性があれば良いのかも?
機体剛性は必要にして十分かな。特別高くないが低くも無い感じ。
主翼剛性がもっと高いと理想的かも。(これも自作アラミド機と比べるほうが悪いよね)
この機体では、世間で言われているようなフライングテール絡みの問題は大丈夫そう。
後半ちょっとだけエルロンがフラッターくさいカンジが見受けられました、それなりの対策が必要かも。
※のちにトリエルロン部分のギャップを収縮性のあるテープで連結することで無事解決。ヽ(´ー`)ノ

フライト
浮きもまずまず、なかなか良さげ。
サーマル感度は良好。条件が良かったせいもあり、がんがん上がっていきました。
2フライト目などは、3〜40分ほどのフライト時間で2本しか投げていません。
午後から5〜6mほどの風が出てきましたがそこそこ飛ばせましたので少々の風でもイケますね。

重量の割には進入性は普通。もっと走ってくれても良さそうだけど。。
フラップ等のセッティングでまだまだ変わりそうなのでもっと煮詰めてみましょ。
ラダーの効きがイマイチ。あの舵面量ではしょうがないかも。
上半角がもっと欲しい。サークリングがちょいシビア。(これも比べる相手が悪いかな)
正面でダイブすると機影が見えない。白ベースのカラーリングはコレに気をつけたほうが良さそう。

まとめ
つるしでコレだけ飛べば競技以外なら自作しなくてもいいかもね、ってカンジでしょうか。
フツーによく飛びます。尾翼を自作して軽量化すればさらによいでしょうね。
ブレーキが使えないので競技機としてはアレかもしれませんが飛び自体はFWIIIあたりとも
そこそこ張り合えるのではないでしょうか。ただし50mクラスのランチをした時に機体が持つかどうかはわかりませんし、
エルロンのフラッターもそれなりに対策する必要がありそう。トリエルロンはカットしないほうが良いかも?
フライングテールも作り方を誤るとランチ等でクセが出るでしょうから、これから製作する方は十分に注意しましょう。


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